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【ご利用者様の声】あじさいクリニック乳腺外科

あじさいクリニック乳腺外科
院長 濱本 隆浩 先生

あじさいクリニック乳腺外科(佐賀県佐賀市/濱本隆浩院長)は、2021年7月で開院10周年を迎えられた乳腺外科専門のクリニックです。気軽に検査を受けられるように利便性の高い駅前に位置し、また最新の設備も揃っています。乳がん検診から術後の定期検診、術後や乳房再建手術のご相談も可能です。
ピアサポーターも在籍し1人の患者さんを10年に渡って診ていらっしゃいます。

MeDaCaを導入されたきっかけや目的、特にご専門領域の観点から教えていただけますでしょうか。


こういったデータ送信サービスがあるといいなと思った最初のきっかけは6年前になります。米国から帰国された患者さんが当院を受診された際に、患者さんご自身がID・パスワードでサイトにログインして米国施設での検査結果を自宅で印刷して持参されたのです。当時これはとても画期的だと思いました。

半年や1年毎の受診だと前回の検査結果を忘れている患者さんが実は少なくありません。医師として結果を確実に伝える努力は必要ですが、患者側でもきちんとデータを保管して理解しておいてもらいたいと常々思っていました。

まずは検査後に紙(報告書)で結果を郵送することから始めましたが、例えばウェブサイトにアクセスして必要な時に必要なデータを確認できるようなもっとスマートな解決法を探していました。2年前にMeDaCaのことを知り、導入を即決しました。

乳がん患者さんのがんへの向き合い方と、MeDaCaを導入頂いたことによる反響をお伺いできますでしょうか。


私は乳がん治療は生活の全てではなく生活の一部であるべきだと考えています。患者さんはがんに罹るとそれだけで頭がいっぱいになったりします。術後定期検査の度に再発の恐怖に怯えている方もいます。手術や化学療法が終われば以前の生活にほぼ戻れますから、いたずらに不安を抱えたままでいてほしくないと思うのです。そこでこういうツールでいち早く結果をお伝えし、私が一言コメントを添えたりすることで患者さんに少しでも安心していただきたいと考えました。患者さんはいつでもデータを見返して確認することができますので、不安の軽減につながっているのではないでしょうか。

現在送信しているのは血液検査結果だけですが、患者さんにはきちんと結果を見ていただけているようです。データを既に見ているという前提で診察が始まるので、診察室でのコミュニケーションがスムーズになりました。乳がん術後の患者さんにとって腫瘍マーカーが最も気になる血液検査項目ですが、予め結果を送って共有しておくことで患者さんは安心して受診できます。異常値であった時の動揺も少ないです。再発患者さんの場合はマーカーの推移を確認した上で自分はどうすべきなのかを考えて来院されます。

また、乳腺外来に通院されている女性は更年期や乳癌治療で女性ホルモンが減少して高コレステロール血症になりやすく、血清コレステロール値を結構気にされます。検査後に送信された結果を見て、次の受診まで食事を工夫したりウォーキングを頑張ったり努力して受診される方がいらっしゃるのは嬉しいですね。

40代~50代、いわゆる壮年期女性が乳がんに罹ることはすごく衝撃的なイベントだと思います。必然的に乳腺外来の患者さん達は健康に対する意識がすごく高いという印象を持っています。検査の意味や意義、解釈などはよく理解されていますし、治療への参画意識も非常に高い方が多いです。そういう方々が自分自身のデータを手に持っていることはとても重要なことだと考えています。

乳腺外科の場合、手術は病院で行い術後ケアは地域のクリニックで行うという地域での病診連携が推奨されています。患者さんがMeDaCaに保存しているデータを、MeDaCaがHUBになって主治医の先生に見せたり、MeDaCaを導入している病院側で患者さん許可の下、データを閲覧したりということが可能です。こういった使い方は有用でしょうか。


乳腺外科の患者さんは当然、内科や他科にも受診します。MeDaCaを登録している患者さんには「内科の先生にも結果を見せておいて」などと伝えることができますので、MeDaCaを介しての情報共有ができます。病診連携というとまずは医療施設間でのやりとりを思い浮かべますが、患者さんをHUBとしての連携も状況と方法を選べば非常に有用な方法だと思います。

MeDaCaには、患者さんがお持ちのデータを見せてくださいというリクエストを出し、患者さんが許可すればデータを閲覧できる「データ受信」機能があります。例えば体重など患者さんが毎日入力されて「データ受信」で先生がデータをご覧になることができますが、使ってみる価値はありますでしょうか。また、例えばアプリを使っている患者さんには、きちんとムンテラすれば、していない患者さんとの差はでてくると考えられますか?


体重はグラフ化されていることが望ましいですが、値がわかるだけでも十分意義はあります。アプリ使用により結果に有意差が出るかと問われると、医師の説明能力も関係するでしょうしそれはわかりませんが、他院でのコレステロール値や自宅での毎日の体重の増減などが分かればきっと診療に役立つのではないでしょうか。

検査結果を患者さんに返してしまうと再診分の診療報酬が減ってしまい診療報酬がマイナスになってしまうというお声もいただくことがありますが、この点いかがでしょうか。


当院は完全予約制ですが、新患の予約は約1ヶ月ほどお待ちいただいている状況です。できるだけ早く検査してあげたいと考えると再診枠を削るしかありません。開業後すぐに術後ホルモン療法は長期処方にしました。特に異常のない血液検査や乳房検査の結果だけを聞きに来られる方の再診もできるだけ減らす方針へ変更しましたが、理解度や満足度を損なわない形で結果を伝えられているかということには常に注意を払っています。

そのような事情に加えて、経営面でも再診で再診料をいただくより新患で乳房検査を受けてもらう方が診療単価は高くなります。他科のことはわかりませんが、当院のような専門クリニックでは再診回数を減らしてでも新患をどんどん受け入れていく方が収益性の点からも有利だと考えています。

今後の診療の中でビデオ通話やオンライン診療について先生のご意見をお教えください。


最近、東京へ単身赴任されていて来院できないご主人のために、患者さんからの要望でZoomを使った術前説明をしました。ご家族も含めて面談の時間を合わせることにはいつも苦労していて、これまでは診療時間外に設定せざるを得ないこともありました。コロナ禍で医師患者間のオンライン診療が注目されていますが、患者さんのご家族を交えたコミュニケーションをビデオ通話で行うことも今後は必要とされるのではないでしょうか。

また、当院ではピアサポーターが中心となってがんサロンを運営しています。個別相談などを随時ビデオ通話で行うのは難しいですが、ウィズコロナ時代を見据えると今後は遠隔でやることも必要になってくるでしょう。いつでも始められるようにその仕組みは今から整えておかなければいけないと思っています。

今後はMeDaCaをどのようにお使いになりたいとお考えでしょうか。

現在は血液検査結果だけを送信していますが、今後は乳房検査結果やお薬のデータなども送れるようにしたいですね。患者さんによっては過去の乳房検査報告書を何枚も保管して見直されたりしています。
時系列に並んで一目で把握できるデジタルデータが患者さんのスマホに届けられるようになったらいいですね。

(取材日:2021年07月12日)

【医療機関インフォーメション】

あじさいクリニック乳腺外科

ホームページ:https://www.ajisaiclinic.com/
所在地:〒840-0801 佐賀県佐賀市駅前中央1-4-17 コムボックス佐賀駅前2F
電話番号:0952-27-7600
休診日:日曜日・祝日・土曜日午後

診療受付時間 [予約制]

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